股関節痛に関しては「自分がどうしたいか」で治療選択を考えてみてもよいのでしょう。
病院の整形外科では主に手術によって痛みを取り去って下さりますので、手術を希望すれば病院にかかるのが一番です。今ならほとんどの医療機関で人工関節による手術は可能ですから、信頼できる先生を頼ってみるのも一つの方法です。
一方で、私たち理学療法士の場合、できるだけ手術をせずに、痛みを軽減できる術がないのかを模索します。直接関わることで大幅に改善できることもありますし、皆さまご自身で取り組んでいただく課題(リハビリ)もあります。
どういった方法を望むかは、専門家により考え方や治療手段が異なりますので、ウェブサイトの情報を参考にしたり、事前に、施術者側からの十分な説明を求めることも大切です。
股関節とは特殊な関節で、うっかり痛みを引き起こすと、なかなかご自身の力だけで痛みを解消させるのは難しいのでしょう。
特に、変形性股関節症関連の診断を受けた場合には、細心な注意を払い進めていかないと、症状によっては、一気に関節にロックかかったように動かなくなり、筋力低下を引き起こすことになります。
頻繁にご相談いただくケースでは、診断を受け、怖くなって動かさなくなることで悪化させてしまうケースです。当初、簡単に消失できるはずだった痛みも、安静を強いることで、さらなる痛みをよび、関節症の進行を招きます。
手術をせずに痛みの改善を目指すのならば、できるだけ早く、どのようにすれば、元通りに動けるようになるのかを確認しておきましょう。
ちょっとした方向性の違いから手術に至ってしまうことがあります。一度手術をすると今度は反対側が待っています。場合によっては、いっぺんに両方の股関節を取り替えなくてはなりません。
ご自身の望む方法で、確実に痛みを解消させましょう。
痛みが楽になってくると、表情にも変化が現れるようになります。
いつもハの字だった眉毛が、眉間にシワを寄せていたような方も、痛みが楽になってくるとみるみる表情が明るくなってきます。
ひと回りも年齢が若返ったようにみえたり、普段の質問の内容にも変化が現れるようになります。
痛みとは不思議なもので、あれだけ苦しめたあの痛みも、次第に薄れてくると、どこに痛みがあったのかさえも思い出せなくなります。初回時にはベッドで飛び上がっていた方も、回を重なるごとにウトウトと眠ってしまうことも。
股関節痛もちょっと和らぐだけで、精神的に楽になったり、希望がもてるようになります。身体がいい方向へと循環しはじめているのです。このチャンスを逃さすに、徹底的に痛みを解消させましょう。
一方で、痛みとは別の表情も持ち、長引かせると「破局的思考」との言葉が存在するように、人の内面にまで変化をもたらすようになります。
うつ傾向になり何をするのも嫌になったり、また、周囲への言動が攻撃的になったりすることを指します。ある研究論文では、手術をしても破局的思考だけは手術後も残るとも報告されています。こうした心的状況にまで陥らせるのが、股関節痛の怖さでもあります。
元々の性格的な問題か、あるいは、「慢性痛」という病気特有の症状であるのかを見極めながら、対応を進めていかなければなりません。
「寝返り動作の痛み」についても触れられていましたが、これもまた、日常生活動作がスムーズに行えるようになってくると次第に消失します。あと一歩、ですね。
寝返り動作と歩き方は密接な関係がありますので、根気強く続けていただきたいと思います。
たとえ、どんなに骨が悪くても、軟骨がすり減ってしまっても、ご本人が手術を望まい限り、無理に手術をすることもありません。
整形外科の先生との診察を受ける際も「テクニック」が必要です。
初診時に手術を説明されても、次回の診察までの間に、痛みを解消させられれば、手術を勧められることもないはずです。
通ってるクリニックにリハビリが併設されていれば、そこへかかるも一つの選択ですし、他へ頼るものよいでしょう。
症状に対して嘘はいけませんが、とにかく、臼蓋形成不全や股関節唇損傷であっても、痛みさえなくなれば手術は避けられます。
そして、本当に患者さん想いの先生であれば、「何をしたら、よくなったの?」必ず聞いてくるはずです。皆さんのほうからお伝えしてもいいですね。
保存療法の力をご存じない先生も多いはずですから。
高校生の身体です。打った捻ったなどのスポーツによるアクシデントとは異なりますから、ここは親御さんが責任を持って正しい道へと導いてあげたいところです。
町の整形外科や大病院もいまだ「3分診療」は当たり前なのでしょうか。
多くの医療機関では、連日多くの患者さんが押し寄せますから、病院にお勤めの先生たちは本当に大変です。
ginzaplusでは、おひとりにかける時間はだいたい40~50分です。この時間内で股関節の状態を確認しながら、症状に合ったトレーニングを実践していただきます。
一般病院のリハビリのように、プリントをお渡しして、自宅でやってもらうようなスタイルではいので、皆さんには、どこの筋肉から痛みが生じ、そして、どこの筋肉が働いていないのかを実感していただきながら、一緒に、リハビリを進めていきます。
股関節は複雑な関節ですので、何か、トラブルがあった際には、ご自分の知識だけで攻略するのがとても大変です。
お越しいただくほとんどの方が、医療機関では解決ができなかった症状です。初期〜進行期・末期までまとめております。同じような症状が見つかれば、改善の可能性が広がります。ご参考になさって下さい。
施術事例:
https://ginzaplus.com/jp/testimonials/
初期の場合の痛みであれば、例えば、臼蓋形成不全を発覚した当初。または股関節唇損傷との診断であれば、怪しいと思われる筋肉を緩めるだけで痛みは解消されると思われます。
ただ経過が長く、身体に色々と癖を重ねていれば、筋肉をほぐしただけではなかなか完治とまではいかないでしょう。
このあたりは度々お伝えしておりますが、筋肉ほぐしによる目先の成果に囚われがちですが、一歩踏み込んで、その先の完成形を目指しましょう。
一度、医療機関で変形性股関節症を診断されると、心のどこかに「かばう」習慣が残されている可能性があります。そうなると、一旦筋肉を緩め痛みが改善されても、またどこかのタイミングで痛みを生じさせることが多くあります。
そうならないためにも、股関節症の悪化のメカニズムをもう一度よく理解し、関節症を進行させないように、最後の仕上げまで気を抜かず、課題の克服に努めていただきたいと思っております。
今や90歳、100歳まで生きることが当たり前の時代となりました。将来、自分の脚で歩けるかどうかは40代、50代の生活にかかっています。
でも、書いていいらっしゃいましたね「少しずつ痛みは戻っています」。
そうなんです、ここからが痛みの治療の本番です!
私が注目しているのは、長期的な効果です。
国際学会の報告でも、10~15年の成果は報告されていても、その先となるとデータで追えていないのが実情です。
痛みがなくなってしまうと、もうお越しいただく機会もなくなり、ここでの課題でもあります。
ただ、初期の場合もそうですし、進行期や末期と診断されたような方でも、順調に経過されている方は、継続的なエクササイズが欠かせません。
股関節に安全なストレッチ。失いたくない足腰の筋力トレーニング。NG動作への理解や歩行補助具の有無、靴の選択など。
こちらから「お願い」することばかりですが、こうした日々の動作への配慮やきっかけ作りが、これからは、本当に大事になってきます。
仕事があったり、子育てがあったり、親の介護のことなど、環境的にも個人差が大きくのしかかりますが、エクササイズを実践する上での障壁とならぬように、改善へと漕ぎつけたいところです。
何をやっても難しい場合には、最後は、手術が助けてくれます。それまでの間は、できる範囲でしっかり動かし、ケアを心がけましょう。たとえ手術に至ったとしても、これまでの挑戦は決して無駄にはならないはずですから。
オンラインによるカウンセリングを利用したり、海外で施術を受けていただいたり、今やginzaplusをご利用いただく方々は世界中にいらっしゃいます。
先日もヨーロッパにお住まいの方と、来年の施術計画を練っていたところです。
海外で診察を受けた方たちも現地のPhysioに辿り着いても、いまひとつ効果を実感できず、ご相談いただくことがあります。
日本人における変形性股関節症は外国人の股関節症とは少し傾向が異なるように感じています。例えば、海外では最も問題となるのは「肥満」です。ところが、ginzaplusへご相談いただくほとんどの方は標準体型です。むしろ、もっと食べて太らなきゃならない方たちです。
また、股関節を構成する骨盤の形をみても、明らかに異なりますね。インバウンドの影響を受けて、銀座にも観光客が押し寄せていますが、行き交う外国人の方たちのあのヒップのライン、骨盤の大きさは、日本人とは比になりません。
先日、外国人の方が施術にお越しになりましたが、MRIの結果をみて驚きました。股関節を取り巻く筋肉と脂肪量の差です。
そうなると、外国人によいとされた方法も、もしかすると、日本人には適していない可能性もあります。ここも、注意してみていく必要があるでしょう。
※考案した「おしりエクボ体操」は、敢えて、日本人向けに、日本人の股関節の形の特徴を十分に考慮し、ご紹介させていただいております。
ginzaplusでは、痛みを発生させている筋肉を緩めるばかりではなく、股関節を正しく働かせることを重点的に取り組んでいただいております。
単に筋肉を緩めても、今まで通りの使い方の癖や習慣が抜けなければ、同じ事を繰り返すからです。
例えば、股関節症の方の場合は、痛みを抱えると、太ももの前側の筋肉を「縮めながら」歩くようになります。いわゆる、出っ尻姿勢から生まれるあの歩きパターンですね。そこからの脱却は、太ももの前側の筋肉を「伸ばしながら」歩くことを、新たに学習してもらいます。
そうすると、筋肉の働き方がガラリと変わるため、身体のあちらこちらで異変を訴えることがあります。
痛みが長期に渡ると、こうした反応にも心配になってしまいますが、でも大丈夫。新しい動きが学習されると、次第に和らいできます。
施術を繰り返すことで、筋肉に柔軟性を与え、正しい使い方をその都度チェックし、少しずつ活動量も増やしていきましょう。いつの間にか、かつての違和感が消失していることに気が付きます。
ポキポキ音についても書かれていましたが、これも、関節が滑らかに動かせなくなった証拠でもあります。
関節内のオイル、ヒアルロン酸が行き渡るように、お皿とボールの股関節の特徴をイメージしながら、正しい方向へと動かすよう心がけましょう。
ginzaplusは銀座のビルの5階にあるのですが、毎回の施術時には、必ず、階段を利用してお越し下さる方が何名かいらっしゃっています。
私が勧めたつもりもないのですが、いつも熱心だなぁと感心しております。
ただ、こういうところだと思うのです。
こちらの方たちは、病院では「関節裂隙が狭くなっている。骨嚢胞もある」と医師からも手術を勧められている方たちです。
これだけの運動能力があれば、すぐには手術は必要ないはずです。担当の先生は診察室の様子しか拝見していらっしゃいませんから、この方たちの本当の底力をご存知ないのでしょう。
必ず、痛みはどこかのタイミングで楽になります。
それは、現在の介護が終わってからか。あるいは、仕事をリタイアしてから。もしくは、パートナーとの別れ、など。身体的・精神的な負担が取り除かれると、フワッと痛みが楽なることがあります。更年期障害もありますから、そのタイミングは人により異なります。ただそのときまで、股関節の筋力だけは落とさないようにしておきましょう。
痛みがなくなっても、筋力がなければ自由に動くことさえできなくなります。
骨がどうであっても、動ければ、手術は必要ないのですから。
階段昇降ほどの画期的なエクササイズはありません。片脚スクワットとバランス練習。長い人生、できなくなることがないよう肝に銘じておきたいですね。
股関節痛を発症しやすいスポーツが存在します。
テニスやバドミントン、卓球など軸足を作るスポーツ。ゴルフなどの回旋系。バレエや新体操など過度な可動域を要求される場合に痛みを生じさせてしまうことがあるようです。最近では、フラダンスなどの中腰で、大きく腰を揺するような動きでも、痛みを悪化させてしまう方が多いようです。
たとえ、スポーツで痛みを発症させたとしても、基本的には、スポーツに絶えられるだけの股関節の「可動域」と「筋力」さえあれば、問題ないでしょう。スポーツに怪我は付き物ですから、痛みを長引かせることなく、正しいケアの方法を学び、乗り越えていきましょう。こうした方法さえ実践できれば、決して全てがストップということではないはずです。
プロのアスリートのようにすぐにでも実戦復帰を果たさなければならない場合は手術もやむを得ませんが、楽しみながら行う程度であれば、たとえ変形性股関節症関連の診断を受けたとしても、熟知した専門家のもとで継続的にケアを受けられれば、スポーツも問題ありません。
どうしても担当の先生は手術をしたい様子です。ただ、バレーボールのように床への衝撃が避けられない場合には、人工関節を入れてしまうと、骨折・脱臼などのリスクは避けられないでしょう。
スポーツも、どういった動きが股関節痛に結びつきやすく、どうすれば回避できるのか。その都度、専門家の意見を聞きながら、スポーツを楽しめる環境を整えておきましょう。
スムーズに回復する例ばかりではなく、手術を考えなければならない場合もあります。
片側の手術をし、もう片側は何とか未手術でしのぎたかったのですが、痛みを散らすだけの対症療法にも限界が現れていました。
年間を通じて約1割の方は、目標に到達できず、手術を選択されます。
理由は様々ではありますが、やはり、最後は「筋力」。身体を支えるための力さえも失われてしまうと、やがて、歩行補助具に頼っても移動機能に限界が訪れます。
ただそれでも、手術までの間にできる限りのことやり尽くし、一生懸命に取り組めたのならば、後悔も少ないはずです。
「手術前リハビリテーション」の重要性は海外では盛んに取り上げられますが、股関節周囲のかたまった筋肉に柔軟性を与え、血行がよくなると、手術後は傷の治りも早くなりますし、手術後の運動の仕方や歩き方の基本を習っておけば、現在の主流でもある「短期入院」にも対応できるようになります。
手術をすべきかどうかの判断は非常にデリケートな問題ではありますが、まずは、とことんご自身を追い込み課題克服に向け取り組んでみて、その成果に満足できなければ、心がそっと教えて下さるはずです。
「もう限界」と感じる閾値は、人それぞれ異なりますが、中途半端に実践するよりも、夢中になって術前リハビリにも取り組めれば、必ず、手術後の成果にも納得いただけるはずです。
こうしてみてくると、上手くいくことも多くありますが、望むような結果に辿り着けないこともあります。
整形外科の先生方の中には、(予防を含め)かなり早いタイミングで手術を勧めてきますので、ご自身の股関節が悪い、と思い込んでいらっしゃる方が多いように思われます。整形「外科」の先生なので無理もありませんが、ほとんどの股関節はメスを入れる必要のない関節です。
加齢に伴い衰える骨や軟骨を嘆くよりも、育て甲斐のある筋肉に目を向けてみましょう。
長年に渡り施術の機会をいただき経過を拝見してくると、やはり、大切なのは「筋力」であることがわかります。手術をしてもしなくても、生活の中で筋力を維持できるかどうかで、短期・長期効果にも差が生まれます。
どんなに骨が悪くても、筋力さえあれば何とかなります。
日々の生活をもう一度見直し、少しずつ負荷をかけながら、ちょっとした動作も丁寧に実践することが大切です。
筋肉は何歳になっても蘇ってくれます。
希望をもって、取り組みたいですね。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)