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歩行 変形性股関節症のリスクファクター③

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歩行 変形性股関節症のリスクファクター③

更新 2021年09月06日(月)
カテゴリ 股関節の保存施術
ハッシュタグ #変形性股関節症  #研究論文 
週末、中部地方からお電話をいただきました。3年前に書籍「変形性股関節症は自分で治せる」に出会ってからは、車椅子生活を脱却。2階に上がるのも介助がなくては困難だったのに、毎日体操を継続することで、今では東京にまで来て実際に施術を受けてみたい、と仰るのです。素晴らしい成果ですね、人生どこで何があるかはわかりませんね。
さて、今日も研究論文から考えてみたいと思います。

世界の股関節治療の現場にいくと、その概念は非常にシンプルです。人間の理にかなった動きを追求する。2足歩行の人間であれば、立つ、歩くを完成させる。その過程の中で痛みも自然と消失していくものです。

2014年、ノルウェーからの報告です。
進行期・末期、中等度レベルの変形性股関節症患者さんの「歩き」からその予後(未手術or要手術)を推察しています。
報告によれば、歩きが比較的安定しており、確立されている症例では、約1/3がその後(6-7年)も未手術で過ごせています。一方で、歩行能力の欠如して症例では、約半数以上は、股関節機能の衰えから、最終的に手術に至っています。

これは、臨床的にも頷ける結果ではないでしょうか。
やはり、進行期や末期であっても、ある程度筋力が保たれ、可動域も犯されていない、尚且つ歩容も安定している症例では、経過良好であることが多いようです。定期的に画像所見で確認しても、軟骨の隙間も保たれており、骨のダメージも少ないのです。

ところが、歩いてない、何らかの理由で歩く時間が作れない、または、歩き方に大きな乱れが生じているような例では、数年のうちにタイミングを迫られることがあります。
一般的に日本では、あまり歩かないように、長歩きは避けて、と指導を受けることが多いように思われます。これが、一つのバリアーとなるのでしょう。上記研究報告からも指摘があるように、保存療法で大切なことは、「歩数」の確保と「歩容」の安定です。海外のデータを見ると、変形性関節症の患者さんもびっくりするくらいに歩いていらっしゃいます。保存療法への導入がスムーズな分、仕上がりその予後もだいぶ異なる印象です。

結論です。たとえ、関節の状態、骨の程度がどうであれば、今の現状の歩きをいかに保て、向上できるかで、その後の成果に大きな差が現れそうです。歩けない理由は何か。歩きの実際にこだわることも、将来未手術でしのげるかどうかの、大きなターニングポイントになりそうです。
ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)



更新 2021年09月06日(月)
カテゴリ 股関節の保存施術
ハッシュタグ #変形性股関節症  #研究論文 

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